雑 感 記
仕事柄なのか性格なのかはわからないが、下を向いて歩く癖がついているのであろう、道を歩けば鋲にあたる。特に市街地を歩くと、以前あった建物が取り壊されて駐車場になっている所が目につく。境界標が設置されている所もあればそうでない所もある。しかし道路上には、測量器械点とおぼしき鋲がある。またマンホール外枠のコンクリート上やタメマス外枠のコンクリート上には、引証点らしきアルミキャップ付き鋲も見受けられる。
調査・測量実施要領U第62条では「新点に永久標識を設置するときは、当該敷地の所有者又は管理者の承諾を得なければならない。」とあるが、はたして道路上に打たれている鋲のうちどれぐらいの数の鋲が承諾をもらっているのかな、などと自分がしたこともないくせに思ったりする。
測量する調査士も、依頼があって初めて現地調査をし、境界が決まってから器械点を設置するが、ほとんどの場合建物が解体される前に測量の依頼がある。建物が解体されてから測量出来れば楽なんだろうけどなどと思いつつ器械点を選点し測量する。測量成果が、分筆・地積更正という形で登記されれば図面は残る。しかし、登記されない測量成果は関係者のみにしかわからず、図面は表にでない。いずれにしても、成果は極座標での測量がほとんどだろう。少なくとも50m以内に公的機関が認めた基準点だけでもあればそれを利用して測量が出来る。登記しない測量図面も公的機関に届出て、そこが管理すればゆくゆくは統一された座標系による地図が出来るのではと思う。
話は変わるが、04年8月22日の朝日新聞に「GPS情報 委ねる日本」という記事がのっていた。アメリカが打ち上げた28個のGPS衛星は特殊な受信機が必要な軍事用信号と精度の劣る民間用信号を発しており、民間用はだれもが利用出来るので航空管制・海運・カーナビ・測量・土木工事に利用している。99年3月NATOによる旧ユーゴスラビ・コソボ空爆の際、コソボ周辺でGPSの精度が極度に落ち、航空管制などに支障をきたした。「アメリカは敵の使用を恐れ、GPSの民間用信号に妨害電波を流した」との情報が流れた。それを危惧した EU(欧州連合)は独自の測位衛星を上げる「ガリレオ計画」を推進しているが、日本は98年アメリカと「GPS合意」を結び無料で利用出来るよう約束したという。日本にも「準天頂衛星計画」という3個の測位衛星を打ち上げ、いずれかが常に日本上空に位置し、精度を現行の10倍に上げる計画があるが、それもアメリカのGPSとの連携を前提としているという。
GPS測量機器も持たない一調査士にとっては、雲の上の事なのかもしれないが、考えさせられる記事でした。
また話は変わるが、8月26日午後3時ごろ諫早の国道207号線道路沿いで、測量をしている長郷四万男本会相談役を見かけました。会員名簿によれば、大正15年生まれの79才。西日の照りつける現場で、暑さをものともせず、動きまわっていました。調査士はかくあるべし、唯々脱帽でした。
えっ、お前は何をしてたんだって? 私は建物表示登記に添付する住所証明書と確認通知書建築主の住所が一致しないことに気づき、あわてて不在住証明書をとりに、長崎から佐賀県有明町役場に、エアコンの効きが悪い車で汗をふきふき、向かっている途中でした。


