VRS研修会の開催について
測量法及び水路業務法の一部を改正する法律が平成14年4月1日から施行され、一年余りになります。その間、法務局サイドからは、基本三角点等の公共座標値を用いる地籍測量図を作成する場合の取り扱いについての協力依頼の通達が発出され、可能な範囲での世界測地系による測量図作成が慫慂されつつあります。この件については、公嘱協会ではすでに事業に着手しつつあるようですが、大村の個人調査士業務の面では会員によりまだまだ格差があり、全体的には低調のようです。しかし、この課題については、これからは決して避けては通れない問題なので、去る1月15日に、公嘱協会大村支所との共同でGPSの研修会を開催いたしました。研修の目的は、測地成果2000への移行問題とGPS測量の現状を知ることにし、仮想基準点を利用したGPSによるVRS測量で、(株)水上洋行、(株)トプコン、(株)トリンプルジャパン、(株)ジェノバ等の各社のご協力を得て実測と講義を実施しました。大村市内は数値方式により地籍調査が現在進行中であるため、国土地理院の変換パラメーターTKY2JGDを使っても利用できるかを判断するために、三等三角点より出発する形で四等三角点が手薄な地区へ向かっている多角点を選び観測を行ないました。仮想基準点方式のVRS測量なので1点あたりの観測時間は衛星を捉える時間も含め1、2分程度のものであり、受信機2台を利用しての観測は、観測点17点、観測路線長の延長約2800mを2時間以内で終了しました。
観測終了後、(株)ジェノバの社員の方から仮想基準点についての講義を頂きました。各会員は、この方式による測量は耳慣れない用語等もあり、戸惑いつつも熱心に聞き入っていたようです。さて、測量に関わる調査士としては、観測の結果が気になるところですが、講義の後、計算結果と地籍調査の成果を変換パラメーターで変換した数値との比較検討をしましたが、結果は想像をしていない事が起こっていました。観測を実施した場所は、大村駅周辺で、国道34号線から大村駅を経由して山手に向かう形で行ない、市街地を中心に横断する位置であったので精度的には心配ない結果を期待していたのです。
しかし、各点とも似通った誤差の表れ方をしていました。その量もX軸が50mm〜110mm、Y軸が80mm〜170mmでした。各点間距離については0mm〜44mmで、平均12mmでした。そのうえ、大上戸三等三角点についても上記誤差が現れていました。市街地なのに、三等三角点なのにどうしてとの疑問が沸いてきたものです。以前、三等三角点については電子基準点からの再測値を公開するとの説明を受けたような記憶があったので、三角点の成果を再度確認したところ再測ではなく更新だったのです。国土地理院のパラメーターの出来た経緯は三等三角点までは再測し、四等三角点は変換することだったと思ったのですが・・
そうすると、二等三角点は大丈夫なのかとの疑問が沸いてきましたが、今回は準備をしていなかったため確認できませんでした。三等三角点は平均4キロ間隔、二等で平均8キロ間隔です。そうだとすると、国土地理院による再測がされた三角点が無い市町村が存在することも有りうることになり、これだけの範囲のパラメーターが実測値でなく、変換値で設定されている可能性がありうることに驚きました。測地成果2000の運用については法務局、日調連からの文章によると、パラメーター変換法の記載及び協力依頼がありますが、調査士のVRS利用が現状では個人事務所レベルではコスト的に困難なためによると思われますが、今回の研修会の結果が実態で現実であるため、公共座標の取り扱いについては、各会員は十分な情報収集、理解、及び適切な判断並びに今後の研鑽の必要性を実感しました。
